尿路上皮がん(膀胱がん・尿管がん・腎盂がん)|東京都港区の泌尿器科 佐々木クリニック泌尿器科 芝大門 浜松町 銀座 品川

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よくある質問

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尿路上皮がん
(膀胱がん・尿管がん・腎盂がん)

① 尿路上皮がん(膀胱がん・尿管がん・腎盂がん)

尿路上皮がんは、尿の通り道、腎盂-尿管-膀胱の粘膜から発生した悪性腫瘍です。

尿路上皮がんとは、病理組織診断の呼び方です。

部位によって

  • 膀胱がん
  • 尿管がん
  • 腎盂がん

といいます。

がんの根っこの深さから、治療法を選択します

尿路上皮粘膜から(尿が通過する側から)がんが発生しますが、尿路上皮がんで重要なのは、根っこの深さです。

どこまであるかによって治療方針が大きく変わります。

通常、例えば膀胱壁(尿管壁・腎盂壁)は、粘膜、筋肉の層(筋層)、周囲脂肪組織の層、そして膀胱壁の外側(隣接する臓器まで)となります。

がんの広がりの分類

これをがんの場合の広がりの分類、T分類で表すと下記のようになります。

表在性と浸潤性で治療方針が変わることがあります。

T分類 深さ 分類
Ta/T1 粘膜まで 表在性
T2 筋層まで 浸潤性
T3 周囲脂肪組織まで
T4 隣接臓器まで

もし、尿路のがんと診断された場合、ご自身がどの段階であるか確認することが重要です。

② どんな症状があるの?どんな症状に注意したらいい?

尿路上皮がんを認める場合、どんな症状があるでしょう?

無症候性血尿

最も典型的な症状は、無症候性血尿と呼ばれる痛みなどがない血尿です。

つまり尿が赤いけれども痛み、かゆみなどの症状がないといったものです。

こうした尿路上皮がんによる血尿は、1-2回ですぐにおさまってしまうこともよくあります。

しかし、半年ぐらい経過して悪化して見つかることもあります。肉眼的血尿を認めた場合は注意しましょう。

膀胱炎がなかなか治らない方も、泌尿器科を受診してみましょう

また、膀胱炎などの炎症を繰り返しているケースの一部に尿路上皮がんがあります。

繰り返す難治性の膀胱炎などの患者さんは特に注意しましょう。

よく内科などで、何年も膀胱炎で抗生剤を繰り返し投与されて経過みていることがあります。

こうした中の一部に膀胱がんがあります。一度、泌尿器科を受診して精査を受けることをお勧めします。

健康診断の尿検査もうまく活用しましょう

さらに、尿管がん、腎盂がんでは、尿の流れが閉塞して痛みや腎機能障害、また、画像検査で水腎症(腎盂が拡張した所見)を認めることがあります。

もちろん早期の尿路上皮がん、特に腎盂がんや尿管がんなどは症状がないことも多いです。

こうした中で健診での尿検査は有効です。

見た目に尿は赤くはないが、尿に血が混ざっている場合(顕微鏡的血尿)は、尿細胞診検査、エコー検査などのスクリーニング検査を受けることをお勧めします。

③ 診断に必要な検査は何?

診断のために下記のような検査を行う場合があります。

  • 尿検査
  • 尿細胞診検査
    尿中のがん細胞の有無をみる検査です。グレード1から5まであり、4・5はがんを疑います。
    尿路上皮がんがある場合、約60-70で尿細胞診陽性となります。
    しかし、グレードが低い早期の尿路上皮がんでは陽性率は低いです。
    つまり、細胞診が陰性でもがんがあることはありますのでご注意ください。
  • エコー検査
  • 造影CT検査・MRI検査
    肉眼的血尿を認める場合、造影CT検査を行います。
    造影剤を点滴すると、造影剤が尿に排出されます。それをCTスキャンで撮像します。
    尿路上皮がんがあるかないかなどわかります。
    腎機能が悪い患者さん、造影剤にアレルギーがある患者さんは、造影CT検査が施行できません。
    この場合は、造影剤を使用しないMRI検査を行うことがあります。
  • 膀胱鏡検査
    膀胱内を観察する検査です。尿道から細い内視鏡を挿入して内部を観察します。
    画像診断で異常がなくても腫瘍が見つかることがあります。
  • その他

早期発見を心がけましょう

尿路上皮がんは、血尿などの症状がある場合や、健診の画像診断で異常があった場合、偶然見つかるといったケースが大半となります。

定期的なエコー検査はスクリーニングに有用と考えます。

また、血尿など症状がある場合は、放置せず念のため異常がないか検査を行いましょう。

尿路上皮がんは、早期発見が重要ながんです!

④ 治療について

手術療法が基本

治療は、転移がない場合は手術療法がメインとなります。

表在膀胱がんでは、TURといった内視鏡での切除がメインとなります。

浸潤性膀胱がん(膀胱筋層まで広がっているがん)では、膀胱全摘除術を行う場合があります。

腎盂・尿管がんでは、がんが見つかった場合、片側の腎尿管全摘除術を行います。

術前後に追加の抗がん剤治療、免疫治療を行うことがあります。

転移がある尿路上皮がんは、抗がん剤治療・免疫治療がメインとなります。

部位、がんの浸潤度、転移の有無などによって治療方針は異なります。それぞれの治療はよくご確認ください。

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