副腎腫瘍について(エコー・CT検査等で副腎腫瘍を指摘)|東京都港区の泌尿器科 佐々木クリニック泌尿器科 芝大門 浜松町 銀座 品川

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副腎腫瘍について
(エコー・CT検査等で副腎腫瘍を指摘)

① 副腎ってどこにあるの?どんな機能があるの?

副腎は、下の図のように腎臓の上にある三角形の形をしたの約2~3㎝の薄っぺらい臓器です。

左右に1個ずつあります。

内分泌器官のひとつとして、様々なホルモンを分泌しています。

副腎が分泌しているホルモンは主に下記の通りになります。

  • ① コルチゾール(ステロイドホルモン)
    コルチゾール(ステロイドホルモン)は、元気のホルモンで体のバランスを整える作用があります。
  • ② アルドステロン(鉱質コルチコイド)
    アルドステロンは、水分の調節を行うホルモンです。
  • ③ アンドロゲン(性ホルモン)
    アンドロゲンは、性ホルモンの一種です。男性では、アンドロゲンの多くは精巣(睾丸)から分泌されますが、一部は副腎から分泌されています。
  • ④ アドレナリン・ノルアドレナリン
    アドレナリン・ノルアドレナリンは、緊張した時やストレスを感じた場合に出るホルモンです。びっくりしたり時に、ドキドキしたり、冷汗をかいたりするのはこのホルモンの影響です。

こんな小さい臓器ですが、体の維持に対して非常に重要な働きをしています。

② 副腎腫瘍って悪いの?副腎腫瘍の種類と疾患

健診のエコー検査や、たまたま撮影したCT・MRI検査などで副腎腫瘍を指摘される場合があります。

副腎腫瘍って悪性ですか?

答えは、△です。

副腎腫瘍の多くは、良性腫瘍で、副腎がんなどの悪性腫瘍もありますが非常に頻度は低いです。

圧倒的に良性腫瘍が多いです。

良性腫瘍であれば何が問題でしょうか?

実は、上記のホルモンを過剰に産生・分泌するホルモン産生腫瘍ができる場合があります。

主なホルモン過剰産生の副腎腫瘍には、下記の疾患があげられます。

① クッシング症候群

クッシング症候群とは、ステロイドホルモン(コルチゾール)を過剰に産生する腫瘍です。

中心性肥満、高血圧、糖尿病、ムーンフェイス(顔が腫れぼったくなる)など、いくつかの特徴的な症状をきたします。

そのほか、生理不順、筋力低下、骨粗しょう症などもあります。

脳卒中や心臓・血管の病気の合併も多いため注意が必要です。

② 原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症とは、アルドステロンが過剰に分泌されるため、高血圧になります。

高血圧患者さんの約5~10%前後は、この病気が原因と考えられています。

典型的には、血中のカリウム(K)濃度が低下します。

よって、脱力感や筋力低下や多尿などの症状を認めることがあります。

高血圧患者さんで、電解質のカリウム濃度が低い患者さんはアルドステロン症を疑い検査を受けましょう。

③ 褐色細胞腫

褐色細胞腫は、副腎の髄質といった部分から分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリンが過剰に分泌される疾患です。

高血圧、頭痛、冷や汗、動機などの症状があります。

ストレスや激しい運動などの刺激により発作的に前述の症状がでることがあります。

褐色細胞腫は比較的大きい腫瘍が多く、大きいものは自然破裂のリスクもあります。

自然破裂した場合は、激しい側腹部痛を認め、救急受診されることが多いです。

異常な血圧上昇、動悸、顔面蒼白などを認めます。

通常の高血圧では、顔面が紅潮(赤くなること)しますが、自然破裂では、末梢の血管は収縮するためむしろ顔面は蒼白になります。

ホルモン非産生腫瘍でもサイズが約5㎝を超えると悪性の可能性が増加するといわれています。

よって、ホルモン値が異常でなくても大きい腫瘍については注意が必要です!!

手術で摘出する場合もあります。

③ 副腎腫瘍精査、どんな検査するの?

副腎腫瘍はどんな検査をするのでしょうか。

まず、画像診断として悪性腫瘍を鑑別する意味でも、CT検査・MRI検査を行うことが多いです。

褐色細胞腫の場合、造影CT検査は推奨されないことが多いです。

よって、事前にどの検査を行うかは、専門医の判断が必要と考えます。

また、まず、スクリーニングのホルモン採血検査、尿検査を行います。

次に、ホルモン産生腫瘍が疑われる場合は、精密検査が行われます。

例えば、アルドステロン症では、腫瘍が小さいため左右どちらが患側なのかわかりづらい場合もあります。

アドステロールシンチグラフィー検査や場合によって、血管造影(サンプリング検査、カテーテルを挿入して左右の血中ホルモン値を測定する検査)を行う場合もあります。 クッシング症候群、褐色細胞腫でもそれぞれ専門的検査が行われます。

まず、スクリーニング検査を行います。

ホルモン産生腫瘍が疑われる場合は、検査可能な病院・施設をご紹介いたします。

④ 副腎腫瘍、みんな手術が必要?副腎腫瘍の手術適応と方法について

ホルモン産生副腎腫瘍の治療は、基本、副腎摘出術になります。

手術療法には、

  • ① 腹腔鏡手術
  • ② ロボット支援腹腔鏡手術
  • ③ 開腹手術

があります。

ほとんどの副腎腫瘍は最近では、①腹腔鏡手術で手術が行われていました。

2022年4月に、副腎腫瘍に対するロボット支援手術(ダビンチ手術)が保険適用となりました。

腹腔鏡手術、ロボット支援手術でどちらがいいのかといった、十分なエビデンスは、2022年8月現在ありません。

いずれも小さい傷でできるメリットがあります。

どの方法がいいのかは、手術を行う病院でよくご相談ください。

ホルモン非産生腫瘍でも、約4-5㎝以上の腫瘍、また、サイズ変化がある場合は手術を行う場合があります。

手術方法は、前述の方法と同様です。

副腎がんも手術療法が基本となります。

副腎がんでは、転移がある場合は、薬物治療が中心となります。

副腎がんの予後は比較的悪いため、大きい腫瘍は適切な診断、治療が行われる必要性があります。

ご心配があるときはいつでもご相談ください。

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