急性尿道炎(クラミジア・淋病・非クラミジア
(マイコプラズマ・ウレアプラズマ))
- ① 急性尿道炎の症状と原因は?
- ② 非クラミジア(マイコプラズマ・ウレアプラズマ)とは、どんなもの?保険診療で診察できるの?
- ③ 急性尿道炎を起こした患者さん、のどのイガイガには注意が必要!
- ④ 急性尿道炎の治療は?
① 急性尿道炎の症状と原因は?
急性尿道炎は、尿道出口(外尿道口)からの接触感染で起こる、尿道の感染症です。
大きく分けて、淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎にわけれます。
症状は、排尿時痛、尿道からの分泌物の流出、尿道の違和感などがあります。
淋菌性および非淋菌性の違いはなんでしょうか?
尿道炎は、行為(性行為や風俗などに遊びに行って)があってすぐに感染症状が出るわけではありません。
潜伏期間をおいて症状が出現します。
淋菌性では、約3から7日で、非淋菌性では、約5日から21日程度で症状が出現します。
淋菌性では、比較的症状が強く出ることが多いですが、非淋菌性では軽いこともあります。
非淋菌性尿道炎の主な原因は、クラミジアによる感染症です。
クラミジア尿道炎は、最も頻度が高い疾患です。
症状が軽いことも多く、特に女性では気づきにくいことも多いです。
そのほかの非淋菌性尿道炎の原因に、マイコプラズマやウレアプラズマがあります。
いずれも、尿や分泌物の検査を行い、診断をつけます。
症状からある程度は予測できることも多いです。
専門の医師の診断をお勧めします。
② 非クラミジア(マイコプラズマ・ウレアプラズマ)とは、どんなもの? 保険診療で診察できるの?
非淋菌性尿道炎の原因に、クラミジアと非クラミジアがあり、その非クラミジアの中に、マイコプラズマ、ウレアプラズマといった原因があります。
尿道炎のうち、約70%が非淋菌性の尿道炎でそのうち30-50%でクラミジアが検出されます(2016性病学会ガイドライン)。
非クラミジア尿道炎(マイコプラズマ・ウレアプラズマなど)は、尿道炎のうち約10-15%前後にあると考えられています。
もちろんこれらに、同時に重複して感染する場合もあることに注意が必要です。
(例えば、淋病とクラミジアに同時に感染する場合もあります。)
マイコプラズマおよびウレアプラズマの感染症は、約1から4週間程度の潜伏期間ののち、比較的緩除に発症し、尿道分泌物の排出、排尿時痛あるいは尿道のかゆみを呈する場合があります。
クラミジアに近い症状ですが、より軽い場合も多いです。
診断は、尿の検査で診断をつけることが可能です。
マイコプラズマおよびウレアプラズマ尿道炎は保険診療で診断、治療が可能でしょうか?
実は、2022年6月からマイコプラズマ・ジェニタリウムの治療のみが保険適用となりました。
そのほかのマイコプラズマ・ウレアプラズマは、自費での検査となります。
まとめて測定する場合は、自費診療で行うことが多いと思われます。
クラミジアおよび淋菌陰性でも尿道炎症状が続く、また違和感が残る場合は、自費にはなりますが検査を行うオプションがあります。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症も、淋菌・クラミジアと同様に、性行為でパートナーにうつることがあるので十分注意しましょう。
検査希望の方は、ご相談ください。
③ 急性尿道炎を起こした患者さん、のどのイガイガには注意が必要!
尿道炎を起こした患者さんが、しばしば、のどの痛みなどを訴える場合があります。
これは、急性咽頭炎によるものです。
前述しているように、クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマいずれも咽頭炎を起こす場合があります。
もともと男性が風俗にいってサービスをうけて急性尿道炎にかかることは多いですが、この場合、多くは風俗で働く女性が咽頭にこうした原因を持っており、咽頭からオーラルのサービスで尿道炎を起こすことが多いです。
キスなどを介して、こうした女性から男性の咽頭に感染することもあります。
急性咽頭炎の症状は、のどのイガイガ、痰が多い、痛み、違和感があるなどです。
熱まで出ることは多くはありません。(悪化した場合、発熱することもあります)
尿道炎、膣炎と同時に、のどの症状がある患者さんは、こうした急性咽頭炎に注意してください。
この中で、特に注意が必要な咽頭炎は、淋菌性の咽頭炎です!
淋菌性尿道炎患者さんは10-30%に咽頭からも淋菌が検出されると報告されています。
淋菌性尿道炎・膣炎でのどの症状がある患者さんは注意が必要です。
また、淋菌性咽頭炎では、抗生剤の点滴加療が第一推奨となっています。
内服薬では改善しにくいため注意が必要です。
④ 尿道炎の治療は?
尿道炎の治療は、それぞれ抗菌薬を使用します。
クラミジア、非クラミジアでは、内服の抗菌薬を使用します。
淋菌性では、点滴および注射剤の抗菌薬が推奨されます。
詳細は、ご相談ください。